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旬の食材を一物全体食で

東洋医学には五行思想という考えがあります。

五行思想では全てのものを、木、火、土、金、水の5つのカテゴリーに分類しています。

その一部を表したものが五行色帯表です。

中国それも大昔に作成されたものなので、日本には無いものやよくわからないものもありますが、身近なものも多いです。

例えば味に関しては、肝(肝臓)が弱い人は酸っぱいものを好み、酢や梅干しを適切に摂取すれば肝を養生できるとか、肌の色が白っぽい人は肺が弱いので辛味を好む傾向があり、唐辛子やショウガを適切に摂取すれば肺を養生できるという情報が見て取れます。

ここでいう好みとはイコールそれを多く摂取すれば良くなるという意味ではありません。
本来好きだからこそ、分量や好みの変化に注意して摂取してくださいという警鐘になります。

つまり多すぎても少なすぎても良くなく、少量ずつこまめに食事に取り入れましょうという事なのです。

加えて五行思想には相生(相手を強くする)相克(相手を弱らせる)という法則があります。

例えば、木の属性である肝は火の属性である心(心臓)を相生し、土の属性である脾(胃腸)を相克します。

食事では酸味のある食べ物を適切に摂取する事は肝臓だけではなく心臓も養生し、酸味のある食べ物を取りすぎると肝臓の調子を悪くするだけでなく胃腸も悪くしますよ、という事になります。

お酢を例にとると、お酢を適切に摂取すると肝臓(木)の代謝を高め、かつ心臓(火)の負担になる高血圧や悪玉コレステロール対策になります。

つまり木と火の相生関係です。

しかし取りすぎると食物の消化吸収にたずさわる胃腸(土)を痛め、ついで消化吸収をサポートする肝臓(木)や胆のう(木)の負担にもなってしまいます。

つまり木と土の相克関係です。

この相生相克関係は5つの属性全てに絡み合っているので、基本的には「バランス良く食べましょう」という事になります。

その上で、生まれつきの弱点部分(東洋医学では全ての人に生まれつき弱い部分があるとされている)の好みである飲食物の摂取量や頻度に気をつけながら、弱点部分を強くしてくれる飲食物を忘れないように取り入れ、弱い部分をさらに弱らせる飲食物を控えめにしましょうという事になります。

五行思想には5つの要素で世界や人間の身体は成り立っているという原理原則があります。

なので、よくテレビや雑誌にある「〇〇が身体に良い!」という考え方は本来の東洋医学にはありません。(最近はこういった極端な表現に警鐘を鳴らす医師や栄養士も増えてきましたが)

しかし「〇〇が身体に良い!」とまではいかなくても、それに近い食物の摂取方法というものはあります。

それが一物全体食です。

一物全体食とは、たとえばニンジンであれば葉も皮も全て食べてしまうという摂取方法です(もちろん農薬には気をつけて)。

現代は日本中、そして世界各地の食材がほぼ年中手に入ります。

しかし昔は日本はもちろん中国でも、それほど多くの食材は手に入りませんし、旬という言葉があるように同じものが年中手に入る事はありませんでした。

その上で五行思想に基づいた食事、つまりバランスの良い食事ができていたのは、一物全体食という方法があったからです。

例にあげたニンジンで言えば、

ニンジンそのものは火に属しますが、人参葉は木に属しますので相乗関係があります。

栄養面でいいますと、

人参葉にはカロテン、ビタミンE、ビタミンK、葉酸、ビタミンC、カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄など多種類の栄養を含んでいます。

またニンジンの栄養で有名なカロテンは皮に多く含まれます。
カロテンを吸収するには調理に油を加えるのが良いのですが、ニンジンには元々油分がありますので皮ごと水煮にしても摂取しやすくなります。

つまりニンジンの中でカロテンと油の相生関係が働いています。

もちろんニンジンの中で相克関係にあるものも存在します。
それがビタミンCを壊すアスコルピナーゼです。

しかし相克関係が必ずしも悪いわけではなく、ビタミンCの過剰摂取を抑えているとも言えます。
水溶性であるビタミンCは尿によって排出されるので大量に摂っても良いと考えがちですが、過剰摂取による吐き気、下痢、頭痛などの症例が報告されています。

このように一物全体食は多種類の栄養が取れるだけではなく、相生相克により栄養を吸収しやすく過剰摂取を抑える働きもあるのです。

もちろん野菜だけではなく穀物や肉類にも応用可能です。

玄米や、まるごと食べられるイリコが優れた食材であるのは有名です。

肉類でも鶏肉は皮ごと調理できますし、中華料理のトンポウロウは皮付きの豚肉を使用します。また、骨からはスープがとれます。

そして一物全体食を行う際には、できるだけ旬の食材を使用する事をおすすめします。

なぜなら旬の食材は栄養価が高く、大量に市場に出回る為に価格が安くなるからです。

一物全体食は健康長寿を望まれる天皇家の御食事でも取り入れられています。

御多忙の天皇家の方々がタフであらせられるのは、一物全体食が重要な鍵になっているのではないでしょうか。

 

 

 

道後はり灸接骨院のホームページはこちらから⇩

https://dogo-hari-kyu.com/

 

2019/10/15 | 未分類

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